エンターテインメントのクリエイティブを全力でサポートする法務部の仕事

エンターテインメントのクリエイティブを全力でサポートする法務部の仕事

総合エンターテインメント企業として、音楽・アニメ・映画など幅広いコンテンツを届けるポニーキャニオン。作品には著作権をはじめとした多くの権利が発生し、アーティストやクリエイター、企業との間に契約が結ばれます。その契約業務を担当するのが法務部です。コンテンツが円滑に世に送り出されるために欠かせない法務の仕事には、クリエイティブを支える大きなやりがいがあります。

海外にも広がる日本のエンタメを支える法務部の業務とは

▲法務部の国内法務グループ兼海外法務グループの中村 真帆(写真左)と国内法務グループの花本 瑠香(写真右)
▲法務部の国内法務グループ兼海外法務グループの中村 真帆(写真左)と国内法務グループの花本 瑠香(写真右)

ポニーキャニオンからリリースされている音楽、アニメ、映画など幅広いジャンルにわたるコンテンツ。その制作から発売までのプロセスでは、アーティストやクリエイターのみならず、国内外の多数の企業との取引が発生します。

法務部は「契約書の起案、作成から締結、著作権を中心とする法的アドバイスや各種相談まで、“契約”や“権利”に関わります。作品をリスクから守るだけでなく、新しいビジネスを前へ進める存在です。海外展開やデジタル配信など、これからますます複雑化する契約や権利処理に制作部門とともに対応しています」(法務部長)というように業務内容は多岐にわたります。

その法務部で新卒からキャリアを重ねているのが、2016年入社の中村 真帆と、2021年入社の花本 瑠香。現在、国内法務グループと海外法務グループの2つのセクションがあり、2人はそれぞれ音楽、アニメと異なるジャンルを担当しています。

花本

国内法務グループの一員として、主に音楽作品の契約業務を担当しています。アーティストやアーティストの所属事務所と実演や原盤制作に関する契約を交わすことが多いですが、近年は共同事業としてライブやグッズ制作も一緒にやりましょうというケースも増えています。

また、海外でのフェス出演や単独公演を行うための契約も増えているので、日本のエンタメに対する海外の熱を感じています

中村

私は国内法務グループと海外法務グループの両方に所属しながら、主にアニメ作品の契約業務を担当しています。制作現場で調整された条件を基に契約書に落とし込み、また落とし込まれた内容が正しいかどうかをチェックしています。

ただ、作品ごとに契約形態が異なったり、多くの会社が関わることもあるため、それぞれのケースに応じて多様な関係者と調整するのが大変なところです。音楽同様に日本のアニメは世界でも人気なので、アジアから欧米まで海外企業との取引も増えています。契約業務を通じて当社コンテンツのグローバルな広がりを実感しています

大学での“知的財産”の学びが今につながる

▲入社当初より海外ビジネスへの関心が高かった中村。業務を通して必要なスキルを身につけながら、現在では海外法務業務にも携わっています
▲入社当初より海外ビジネスへの関心が高かった中村。業務を通して必要なスキルを身につけながら、現在では海外法務業務にも携わっています

実は、2人とも同じ大学の法学部出身。幅広い法律の勉強の中で偶然にも興味を持った題材は“知的財産”で、在学時期こそ違いますが知的財産(知財)を専門に扱う同じゼミで学びました。

中村

私が今の仕事に就く大きなきっかけでした。どのゼミを選ぼうか悩んでいたときに見つけたのが知財ゼミだったんです。知財もいろいろありますが、特許ではなく著作権などエンタメに特化した分野を扱うと知り、それは面白そう!と受講を決めたんです。

もともとスポーツ観戦や音楽、映画などいろいろなエンタメに触れるのが好きだったので、なおさら興味を持ったんです

花本

私は子どもの頃から楽器を習い、高校時代は軽音部でバンドをやったり、大学では和太鼓のサークルに入ったりと音楽に親しんできました。ドラマや映画、舞台も好きで、将来はエンタメを扱う企業で仕事をしたいと考えていたので、エンタメ業界と距離の近い知財ゼミを選びました

さらに花本は在学中、知財ゼミの授業で中村と出会っていました。

花本

卒業生の中村さんがゲストスピーカーとしてゼミにいらして、映画の製作委員会の仕組みや著作権にまつわるお話をしてくださいました。それがとても興味深くて、より“エンタメ企業に入りたい!”と思うようになったんです

大切なのは制作現場の意図を汲み取り、寄り添うこと

▲休日はライブへ足を運ぶ花本。音楽のエネルギーが、仕事への情熱にもつながっています
▲休日はライブへ足を運ぶ花本。音楽のエネルギーが、仕事への情熱にもつながっています

2人の仕事は、さまざまな案件に対して取引先と交わす契約書の内容を細かくチェックし、自社の権利を守りながら、プロジェクトがスムーズに進行できる下地を“契約書”を通じて作ること。直接、クリエイティブに関わるわけではありませんが、だからこそ社内のサポート役として、日々の業務で大切にしていることがあると2人は言います。

花本

一番大切にしているのは、制作現場の意図を汲み取ることです。どうしたら、最も適切な形で、実務に則した契約にできるかを制作担当者に確認を取りながら考えています。その上で重要なのが、スピード感。制作現場がスムーズに動き出せるよう、スピーディーで正確な対応を日頃から心がけています

中村

そして、制作現場の意向を尊重しつつ、契約を通じて実現できる方法を一緒に考えるようにしています。実現が難しそうに見えても、可能な範囲で前向きな解決策を探ることを心がけています。制作の皆さんに仲間として寄り添いながらも、公平な立場から冷静に判断する“第三者視点”は常に大切にしています

そういった“大切にしていること”を、よりよく実現するためには、制作現場とのコミュニケーションも不可欠です。

中村

法務部は、制作現場にいるわけではないので、疑問に思うこと、実際はどうなのかを知ることも大事です。きっとこういうことだろうと自分で解釈していても、実際には状況が違うこともあるため、過去の契約書を細かく調べたり、担当者に話を聞いたりしながら、見落としたリスクがないかを探っていくことも大事な仕事です

花本

そのためにも、現場の人たちがどういう動きをしているのか、そもそもどういうビジネススキームになっているのかを知ることが大切です。新しい挑戦やこれまでにない試みを希望されるケースも多いため、現場の動きやスキームを理解して、ポニーキャニオンの利益につなげるにはどうしたらいいかを考えて契約書に落とし込んでいく必要があります。とにかく話を聞いて、自分の知見を広げていくことが大事だといつも思います

近年増えてきたという、海外とのやり取りも難しい業務の1つです。

中村

海外との契約は、言語が異なるだけではなく法律や商慣習も異なることもあるので、国内の契約とはまた違う視点を持ちながらチェックをする必要があります。海外法務グループでは、テクノロジーも活用しながら、増える海外とのやり取りに対応しています。

また、当社の場合、国内で作ったコンテンツを海外にライセンスするというケースが多く、国内契約と切り離して進めることはできないため、海外法務グループだけで業務を完結させることはなく、都度部内で事案を共有しながら業務にあたっています

自分が携わった作品のヒットがやりがいにつながる

▲取材後すぐに次の打ち合わせへ。迅速かつ確実な対応が、法務部の信頼を支えています
▲取材後すぐに次の打ち合わせへ。迅速かつ確実な対応が、法務部の信頼を支えています

プロフェッショナルな知識やスキルを必要とし、数多くのコンテンツに真摯に向き合っていく法務部の業務。業務の幅広さゆえ、やりがいも大きいと2人は言います。

中村

やはり、自分が契約を担当した作品がヒットしたときはとても嬉しいですね。例えば、世界的に話題となった映画シリーズにサポートとして関わったことがあります。

街中でも『あれ観た?』『あれは面白かった!』という声が聞こえてくると、すごくやりがいを感じます。友だちと話をしているときに、『今度こういう作品が始まるんだね』と、私が担当している作品が話題に出たりするとワクワクします

花本

私も同じですね。自分が携わったアーティストや楽曲が話題になると、とてもやりがいを感じますね。また、担当アーティストのライブにも、足を運ばせていただける機会があるのは楽しみですし、ますます応援したくなります。

先日、メンバーにご挨拶をさせていただいたときに、私の仕事に対する感謝の言葉をいただき、この仕事ができて良かったと実感して嬉しかったです

クリエイティブを支えるやりがいを常に感じながら業務に邁進している2人には、今後、より法務部での仕事をレベルアップしていくために、トライしていきたいこともあります。

花本

制作現場のことをもっと知りたい、現場により近くなりたいと思います。例えば、担当作品だけでなく制作の打ち合わせなどに積極的に参加し現状把握に努めたいですし、現場からより相談しやすく、一緒に考えていける環境を作れるようになりたいと思います

中村

今後は、国内外問わず、これまで以上にいろいろな形で、アニメ、映像、音楽ビジネスが展開していくことになりますから、常に業界の動きをしっかり捉えて柔軟に対応したい。新規事業やエンタメの新しいビジネスが始まるときには、最初の基礎固めのために法務が重要な役割を担うこともあります。そこに自分がちゃんと踏み込んでいけるスキルや力をつけていきたいです

また、法務部の今後のビジョンについて、「ポニーキャニオンのエンタメを守りながら、未来のビジネスを形づくる“基盤”を担っていきます」(法務部長)というように、日本の文化を担うエンタメを創出するポニーキャニオン法務部の挑戦はこれからも続いていきます。

※ 記事の部署名等はインタビュー当時のものとなります

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