縁に導かれて重ねた経験を生かし、音楽を世界に広げる挑戦

縁に導かれて重ねた経験を生かし、音楽を世界に広げる挑戦

グローバルマーケティング部にてDSP営業、SNS戦略、海外戦略などを担当する西沢 大輔は、アメリカの音楽大学で学んだのち、ポニーキャニオンで音楽や映像の宣伝・制作に携わってきました。その豊富な経験と視野の広さ、高いアンテナ感度を武器に自社コンテンツを国内外へ広く発信する術を日々模索する彼の、これまでとこれからに迫ります。

レコーディングエンジニアを目指してアメリカへ

▲グローバルマーケティング部の西沢 大輔。アメリカでの留学経験は社会人になっても生きています
▲グローバルマーケティング部の西沢 大輔。アメリカでの留学経験は社会人になっても生きています

ポニーキャニオンで多くのアーティストや作品の宣伝、制作に携わってきた西沢。両親の影響で、物心ついたころから音楽が大好きだったと言います。

西沢

両親共に音楽が好きで、特に母親がJ-POP好きだったんですよ。僕が子どものころは音楽番組や、アーティストが出てくるバラエティ番組がたくさんあったので、出演している歌手のマネをして歌ったりもしたし、レンタル店でたくさんレコードやCDを借りてきたりもしましたね。

中学に上がって、洋楽のハードロックとかヘヴィメタルも聴くようになると、今度はギターを弾いてみたくなったんです。高校受験に際して「志望校に受かったらギターを買ってもらう」という約束を両親と交わし、無事志望校に受かりギターを買ってもらいまして、高校ではバンドを組みました。弓道部と軽音楽部を掛け持ちしながら、コピーバンドで学園祭に出たりしていましたね

音楽に関係する仕事に就きたい、という夢を抱くようになった高校時代。興味を抱いたのは、レコーディングエンジニアの仕事でした。

西沢

小学生のとき、放送委員会に入っていたんですけど、音響機器を操作するのがすごく楽しかったんです。自分で音量調節のフェーダーを操作してアナウンスしたり、体育館で行事があるときにマイクを用意したり。そんな経験があったから、アーティストのサウンド作り、作品作りに欠かせないレコーディングエンジニアに興味を持ったんです

レコーディングエンジニアを目指した彼は、アメリカの音楽大学への留学を決意します。

西沢

日本の大学や専門学校で自分が学びたい現代音楽が学べるんだろうか……と悩んでいたときに、2学年上の先輩がアメリカの音楽大学に進学するという話を聞きまして。高校卒業後、テキサスの大学でESL(英語を母語としない人向けの英語教育プログラム)を1年受けたあと、2学年上の先輩の助言も頂いてボストンの音楽大学に行きました。

大学時代はMusic Synthesisという学科でコンピューター音楽を主に学び、自分でトラックを作るようにもなったんです。それこそ、ポニーキャニオンはじめ何社かのオーディションにデモテープを送ったりもしましたが、現実はそんなに甘くなく、採用には至りませんでした(笑)。

でも、音楽大学で自分が学びたかった現代音楽理論や、当時最先端のコンピューターミュージックなどが学べて本当に良かったです。またアメリカでの生活という貴重な経験ができたな、行ってよかったなと思います

ポニーキャニオン入社後、待ち受けていた予想外の展開

音楽大学卒業後、帰国して就職活動を開始。当時、音楽、映像、映画ディレクター採用という特殊な採用を行っていて、音楽ディレクター採用でポニーキャニオンへの入社が決まり、最初に配属されたのは音楽宣伝の部署でした。

西沢

当時は新卒で入ったらまずは営業からというのが定石で、いきなり宣伝というのはなかなか珍しいことだったと思います。ラジオ局や出版社に自社アーティストの出演や掲載交渉をするという仕事は、なかなか大変なものでした。

関東近郊のFM局に毎日通って、夜は都内に戻って番組収録に行って、媒体も複数担当して……とにかく忙しいし、慣れない業務に新人の僕はてんてこ舞いでした

「でも、そういう毎日が楽しかったんです」と当時を振り返る西沢。持ち前のポジティブ思考やひるまない行動力が支えとなりました。

西沢

何より自分がプロモーションをして、アーティストや作品がラジオ番組や雑誌で取り上げられて、それがきっかけで誰かに聴いてもらえる、興味を持ってもらえる。それってすごく嬉しいことなんです。

入社当初は早く制作の仕事がしたかったですけど、宣伝はプランニングする上でも基礎になるので、経験できてよかったなと今は思います。たくさんの学びを得て刺激を受けたプロモーター時代は、自分の土台を作ってくれたすごく貴重な時間でした

音楽宣伝部で経験を重ねたのち、ドラマやバラエティといった映像作品や、洋邦映画作品の宣伝、制作に携わることに。思いがけない異動先は、西沢の経験値や能力を活かせる場所でした。

西沢

映像宣伝部では、プランニングもするようになりました。チームメンバーと一緒にあれこれ施策を練るわけですけど、ここで音楽宣伝の経験が生きることになるんですよね。この作品はあのラジオ局に持っていってみようとか、この作品だったらあの媒体でも取り扱ってもらえるかなとか。やり始めてみたら映像宣伝の仕事もおもしろくて、気づけば4年経っていました

入社17年で念願の音楽制作ディレクターに

その後、映像制作部でプロデューサーとして10年以上キャリアを積み、部内異動した映画グループでは、カンヌ国際映画祭、トロント国際映画祭、AFM(アメリカン・フィルム・マーケット)、ベルリン国際映画祭などでの洋画の買い付けや、邦画の企画・パッケージ制作を担当。西沢の“好き”と閃き力が相乗効果を発揮していきました。

西沢

映画買い付けは、脚本がまだなくて監督とキャストと企画だけしか情報がない段階で交渉をするんですけど、もともと映画好きな自分としてはそれがすごくおもしろかったです。通訳なしの商談では、留学して得た語学力を生かすこともできたんです。

ハリウッド俳優の来日時に手伝いをしたり、邦画のパッケージ制作では作品のテーマにあわせてオリジナルのボードゲームを封入特典するという企画を考案したり……音楽よりも映画の方面でやっていきたいと思うくらい映画の仕事が楽しくなっていきました

ところが、思わぬ展開が待ち受けていました。2017年に再び音楽宣伝部に異動し、タイアップ獲得やWEB宣伝を担った西沢は、2019年に念願叶って音楽制作部に配属。音楽の制作ディレクターとして、ボーイズグループやK-POP、HIP-HOPまで多彩なアーティストを担当することになりました。

西沢

ディレクター採用なのに一度もディレクターになっていない、というのが持ちネタだったんですけど、入社17年で突然の伏線回収ができたんです(笑)。ディレクターになったのがほかに比べて圧倒的に遅いので、ミックスを誰に頼むのかとかスタジオをどうするとか、そういうつてみたいなものが一切ないゆえの苦労はあったものの、作品を完成させるまでのプランニングやスケジュール管理など、レコーディングからプロモーションまでの一切を統括する仕事は、やっぱりやりがいがあるし楽しいんですよ。

すぐに手に入らなくても、長く続けていればまわりまわって望みが叶うこともある。そんな“縁”の不思議を感じたりもしました

2022年より、音楽マーケティング部で音楽デジタル配信にまつわるDSP営業や、海外戦略、SNS戦略などデジタルマーケティング分野を担当している西沢。

「自分のチームが関わっているアーティストや作品がデジタルで火がついてヒットしていくことに大きな喜びを感じる」という彼が、音楽や映画の宣伝、制作で得た知見を生かしながら、新領域でもっとも大事にしているのはどんなことなのでしょうか。

西沢

流行が目まぐるしく移り変わっていく中で、常にアンテナを立てて情報をインプットする、市況を読むというのが重要なんですよね。自社のアーティストの再生数はもちろん、自社所属以外でも売れているアーティストがどういう施策を打っているのかも、随時把握するようにしています

J-POPの魅力をより多くの人に届けるためにできることとは何か

トレンドの流行り廃りが短期化・高速化する今、さまざまな課題も見えてきているといいます。

西沢

ただ配信するだけでは膨大な作品のリリースの中に埋もれてしまいますから、たとえば、TikTokをはじめSNSでの仕掛けも柔軟に考えなくてはいけません。そのためのSNS周りの運用チーム強化にも、取り掛かっているところです。企業が顧客に直接コミュニケーションを取って商品購入やキャンペーンなどの具体的な行動を促すダイレクトマーケティングにも注目しています。

海外では一般的ですが、日本ではこれから広がっていく段階だと思うので、興味を持ってくれている人に対してしっかり情報を届けて、熱心なファンが集まるファンダムの形成をめざしたいです

言語や文化の壁を越えて、人々の心をひとつに結びつけることができる音楽。その可能性を信じ、多くの人に届けるための施策も練っています。

西沢

ポニーキャニオンは、これまで主に日本国内を中心に事業展開してきましたが、ここ数年、地道に海外とのコネクションを築いてきました。2024年からは、グローバルセールスグループとして海外戦略にもより力を入れ、海外のフェスやライブへの自社アーティストのブッキング、それにまつわるプロモーション活動も活性化しているんです。

僕自身、海外のマーケットやカンファレンスに積極的に足を運んだりもしていますし、PONYCANYON USA INC.、PONYCANYON ENTERTAINMENT TAIWAN, INC. 、PONYCANYON KOREAと連携しながら、アジア地域全般、北米、南米なども視野に入れながら、今後は世界展開をもっと増やしていきたいと思っています。

日本のアニメの影響力ってものすごく大きくて海外でも人気がありますけど、J-POPにも国境を超えてたくさんの人に愛される力があると僕は信じています。そういう可能性のあるアーティストや楽曲を広めるために、制作チームの支えになれるように、できることはなんでもやっていきたいです。

自分や自分たちのチームが音楽業界の最前線にいるんだぞ、という自覚と責任感を持って仕事に取り組んでいます

「デジタルの仕事もすごく楽しい」と笑顔を見せる西沢。配信プラットフォーム『early Reflection』では、アーティストの発掘や育成、音楽制作にも関わっています。

西沢

一からアーティストを育てたいという想いは、やっぱりずっと変わらずにあるんですよね。さまざまな音楽事務所と連携してオーディションを行い、新世代の瑞々しい才能を見つけて育てていきたい。そういう、自分がもともとやりたかったことも、この先続けていけたらいいなと思っています

また、2025年5月に京都で開催された新しい音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN』にも携わりました。

西沢

広報宣伝部の一員として、SNS戦略などを担当しました。業界の方々や他のレコード会社の重鎮の方々とご一緒できたのは、貴重な経験になりました。現在は2026年に向けて準備をしているので、楽しみにしていてください

「入社以来、いろいろな部署で本当にたくさんの経験をさせてもらいました。ちゃんと企画を立てれば形にできる自由な環境だと思いますし、とてもいい会社だと思います」と言い切る彼が、未来を担う若手や就活生に伝えたいのはどんなことなのでしょうか。

西沢

僕のチームにいるメンバーもそうですけど、今の若手社員や就活生って、みんな知識豊富でしっかりしているし、英語も話せるし、すごく優秀だと思うんですよ。同じチームの若手社員は本当に音楽が好きでライブやフェスに熱心に足を運んでいるので、教えるだけじゃなくて教わることもたくさんあるし、刺激もたくさん受けます。

やりたいことがあるなら失敗を恐れずに挑戦してほしいし、自信を持って自分の想いやアイデアを積極的にどんどん口に出してアピールしていってほしいと思います

※ 記事の部署名等はインタビュー当時のものとなります

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